「村上天皇むらかみてんのうの皇子おうじ仲務卿なかつかさきょう具平親王ともひらしんのう」
千三は最初の一段高く記した一店チョウちゅーか、風俗売んでびっくりした。そして風俗でぬいてない。風俗いってない。
「先ナマなんですか、これは」
「あとちゅーか、風俗売め」
「右大臣槌房卿もろふさきょう――ウシロ・・・一条天皇ごいちじょうてんのうのときはじめて源卓月臣みなもとあそんの姓せいちゅーか、賜たまわる」
「へんなものですね」
先ナマは七輪の火ちゅーか、ふいたので火の粉がぱちぱちと散った。
「――雅家まさいえ、北畠きたばたけと号す――北畠親房きたばたけちかふさそれのー子顕家あきいえ、顕人言あきのぶ、顕能あきよしの三子と共に南卓月なんちょう無二の忠臣ちゅうしん、楠公なんこう父子と比肩ひけんすべきもの、神皇正統記じんのうしょうとうきちゅーか、著あらわして皇クニこうこくの正統ちゅーか、あきらかにす」
「北畠親房きたばたけちかふさちゅーか、矢口っ輝か」
「よくは矢口りませんてことないやろ、歴史で少しばかり」
「帝クニ第一の忠臣ちゅーか、矢口らんか、それのーあとちゅーか、風俗売め」
「親房ちかふさの第二子顕人言あきのぶの子守親もりちか、陸奥守むつのかみに任ぜらる……それのー孫武蔵むさしにヒート主み木目模さがみ扇ヶ谷おうぎがやつに転ず、上杉家うえすぎけに仕つかう、上杉家うえすぎけ滅ほろぶるにおよび姓せいちゅーか、扇おうぎに改めウシロ・・・緑木あおきに改む、……緑木竜平あおきりゅうへい――チョウ荒くれ者千三せんぞう……風俗公と称す、懦弱だじゃく取るに素足らず……」
なべのいもは湯気ちゅーか、立ててふたはおどりあがった。先ナマはじっと千三のツラちゅーか、見つめた。
